実績報告|2024年度「フィリピンの“ストリートチルドレンZERO”キャンペーン」
2024年度の「フィリピンの”ストリートチルドレンZERO”キャンペーン」についてご報告いたします。
2024年4月12日から5月31日まで、フィリピンの“ストリートチルドレンZERO”キャンペーンのための募金を呼び掛け、のべ66人・団体からご寄付総額70万6,540円が寄せられました。
いただきましたご寄付に、2023年度からの繰越金とキャンペーン期間終了後に寄せられた寄付金を合わせた74万1,092円を以下の通り配分し、ストリートチルドレンのための現場の活動やキャンペーンの推進に活用いたしました。

(本キャンペーンはACC21と(一社)アジア宗教者平和会議東京との共同事業です)
それぞれの活動の詳細をご報告します。
1. 路上の若者の自立支援(Project Bamboo)
(ACC21実施事業:「Project Bamboo:フィリピンの路上で暮らす若者の自立支援プロジェクト」)
一人ひとりの若者が路上生活を抜け出し、貧困の連鎖を断ち切るため、就職・起業に必要な知識・技術を学ぶ研修、若者たちによるグループ運営に関わる各種サポートを提供しました。
2024 年度は、路上で暮らす若者36 人に就職または起業のための技術や知識を学ぶ機会を提供し、うち27 人の若者が研修を修了しました。本年度から研修プログラムの一部を「就職コース」と「起業コース」に分け、研修生の適性や将来への希望に合わせ、より専門性の高い研修を提供しました。事業開始から現在までに支援した若者の数は170 人を超えました。
また、これまでの修了生で構成された学び合いのグループ「若者起業グループ(YEG)」に、32 人が参加し(2024 年度末現在)、若者たち自身で自発的にグループを運営するために必要な組織化のプロセスについて学ぶとともに、グループ名称やビジョン・ミッションについて検討しました。




2. 路上の子どもの奨学支援
(現地NGO・クヤセンター実施事業「路上の状況にある子ども15名への奨学支援事業」への助成)
2024年8月に開催された審査委員会での審議を経て、現地NGO・クヤセンター(Kuya Center For Street Children, Inc. )による、路上の状況にある子ども15名への奨学支援事業(Inclusive Education For Children in the Street Situation)に37万546円を助成しました。
支援の対象となる子どもたちは、親が病気であったり、雨が降るたびに自宅が浸水してしまうなど、厳しい生活の中で勉強を続けることが難しい15 人(女子5 人、男子10 人/ 9~16 歳)です。彼らが学校に通い続けられるよう、制服や靴に加え、交通費や課題費、軽食代などを提供したほか、カウンセリングや代替教育セッション(子どもの権利や保健などについての教育)を実施しました。支援の結果、奨学生全員が進級しました。


3. キャンペーン推進のための活動
フィリピンの“ストリートチルドレンZERO”キャンペーンでは、2030年までにフィリピンのストリートチルドレンを”ゼロ”にすることを目指し、日本の市民の方々にストリートチルドレンの現状や抱える課題を知っていただくための啓発活動や現地関係機関などとの連携などに取り組んでいます。
2024年度は、以下のイベント、募金キャンペーンを行いました。
- ストリートチルドレンのための国際デー記念イベント「立ち上がるフィリピンの元ストリートチルドレンたち」(2024/4/13、オンライン)
- 募金キャンペーン(2024/4/12~5/31、寄付総額706,540円)[詳細報告]
- 募金キャンペーン関連イベント「フィリピンのストリートチルドレンを ZERO に:2023 年度活動報告―SDGs『誰ひとり取り残さない』実現に向けて―」(2024/5/21、オンライン)
また、募金キャンペーンに寄せられたご寄付金等の配分について、本キャンペーン主催団体(ACC21、アジア宗教者平和会議東京)間での協議と、「フィリピンの”ストリートチルドレン ZERO”キャンペーン助成事業 審査委員会」を開催(2024年8月)し、上述のように配分を決定・送金しました。
このほかに、本キャンペーンに関連して、日本国内でキャンペーンの推進役を育てることを目指し、「Takeke Action!連続講座:フィリピンのストリートチルドレンのために私たちができること」を開講しました(ACC21の主導により実施)。