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2024-03-08

日韓みらいスタディツアー 実施報告

2月21日から25日までの「日韓みらいスタディツアー」が無事終了し、日本からの参加者と「日韓みらい若者支援事業」の運営委員と担当スタッフが日本に戻りました。

担当スタッフのシャープからの実施報告をお届けします!

日韓みらいスタディツアー「韓国市民との対話と実地体験で学ぶ―日本の植民地時代、朝鮮戦争、これからの平和 」2024年2月21日~2月25日  4泊5日

ツアーには日本と韓国をあわせて26名が参加しました(日本からの参加者:6名、韓国からの参加者:20名 )。年齢は10代の中学生・大学生から40代前半の社会人まで幅広く、韓国からは部分的に参加された方や全行程に参加してくださった方もいました。

今回のツアーのテーマは、韓国の若者や市民との対話交流や日本の植民地時代や朝鮮戦争の歴史を学び、東アジアのこれからの平和を考える旅で、「日本と韓国の学生や若者が共に行動して分かち合うツアー」を目指しました。

~1日目~

1日目は、ツアーの拠点となる「日韓の市民の手でつくられた」ソウルの植民地歴史博物館見学(右写真)。学芸員の野木香里さんと共に博物館内を周り、展示解説を受けました。その後は、強制動員の被害者の支援に長く携わる金英丸さんの話を聞き、参加者同士で意見交換。韓国からの参加者から「日本の人が植民地のことをどう思っているのか知りたかった」との意見が多く寄せられたことが印象的でした。

植民地歴史博物館を見学する様子

~2日目~

2日目は、ジャーナリストの徐台教(ソ・テギョ)さんのガイドで非武装地帯(DMZ)を回るツアーで、朝鮮半島の分断の状況を目の当たりにしました。その後のプログラムでは、デジタル性犯罪の被害者支援に携わるウォン・ウンジさん(追跡団火花)の話を聞きました。
凝縮されたプログラムですが、各プログラムの話がつながっているようで、日に日に学びを深め、参加者間の意見も活発になったように思います。

非武装地帯(DMZ)の都羅山展望台から朝鮮半島の北側を眺める

~3日目~

3日目は、東北アジア地域平和構築インスティテュート(NARPI)を訪問し、NARPI代表のJae Young Leeさんから「修復的(回復的)正義」についてのワークショップを受けました。単語だけではよくわからなかった「修復的(回復的)正義」という概念について、NARPIが実践してきた事例をもとに話していただき、ツアーで学んだ内容とつながる箇所もありました。

~4日目~

4日目は議政府市の中学生との交流。小グループに分かれて日本と韓国の文化や学校のこと、日韓の関係や歴史問題について議論しました。中学生からの率直な質問や意見に対して参加者はよく考え回答していました。中学生からは、「日本にも歴史に興味を持つ人がいてよかった。実際に会って話してよかった」という感想がありました。

最後のプログラムでは、社会起業家のイ・イェスルさんから、社会的経済の話や、自分や地球に優しく暮らすことについて話を聞きました。ツアーのまとめとして、参加者それぞれの「ツアーで印象に残ったこと」を共有。グループに分かれて話をし、その中で「私たちにできることは何か」を話し、日本と韓国の若者たち同士で何かが始まりそうな雰囲気でした。

写真は、1日目にも訪れた「植民地歴史博物館」の講義室で、イ・イェスルさんの話を伺う様子です。ツアーの始まりと終わりをこの場所で過ごし、まさにツアーの拠点になりました。

~5日目~

最終日の5日目は、ツアーを解散した後に、韓国の大学生や日本からの留学生の案内でソウル観光として景福宮へ向かいました。

最後に

人と出会い対話をすること、相手の国の文化や歴史を学び続けることの大切さについて、参加者の声としてあがりましたが、それはまさにこのツアーの目的としていたことでした。

短い期間の中で、お互いを知ろうとし、相手を思いやり、対話を続けていく姿勢が見られました。参加者の皆さんが一歩を踏み出し、そして歩み続けていくことが期待されます。

(報告:シャープ茜)